S-2-7 「自治体における協働のツールとしての地域SNSの課題と可能性 ~横浜市こども青少年局の活用事例から考える」
■WEB2.0の時代に対応する官民協働型の総合プラットフォーム構築に向けて
横浜市における市民と行政を結ぶICTの活用事例報告と、今後、市民が行政に参画し協働していくための媒体として地域SNSをどのように発展させていくべきかについて議論された。 全国各地の自治体、市民団体などから約20名が参加。
第2回地域SNS全国フォーラム in 横浜 2008.2.28~29 開催
==== セッション基本情報 ================================
日時:2月29日(金) 13時30分~15時(90分間)
会場:なか区民活動センター ミーティングエリア
パネリスト:
横浜市こども青少年局「ヨコハマはぴねすぽっと」プロジェクトメンバー
ハマっち!ユーザー(市内若者自立支援・子育て支援関連の市民活動団体など)
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■横浜市のICT活用の流れ、こども青少年局の取組紹介
横浜市こども青少年局 関口氏
横浜市こども青少年局が運営しているこども青少年総合ポータルサイト「ヨコハマはぴねすぽっと」の紹介と、地域SNS「ハマっち!」の活用についての報告が行われた。
2000年に発足したこども青少年局のサイトは、月間50万件近くのアクセスを誇りながらも再構築される必要があった。 要件としては、横浜市のホームページ以外からでも入っていけること、また迅速な情報発信、そして、参画-協働型の総合プラットフォームへの進化。 そこで、リニューアルの骨格と要点を整理し、3段階を経て現在の形の「ヨコハマはぴねすぽっと」に生まれ変わった。以下にその経過を述べる。
▽第1期
・カテゴリを見直して、既存の30,000ページ余りのコンテンツを整理。
・統一されたテンプレートにはめ込む。
・2007年2月公開。
▽第2期
・更新の頻度とスピードを上げるため、HTMLからCMSに移行。
・データーベースの再構築。
・2007年4月公開。
▽第3期
・市民と局の双方が情報発信するポータルサイトへ。
・2007年5月公開。
若者の自立や子育て支援に取り組むNPOや市民団体と連携し運営。 骨子として、全方位子育て情報配信システム「ヨコハマ ハッピーチェーン」の展開がある(2007年12月~)。 これは、地域子育て支援拠点や区役所、全市に集まる情報を「ヨコハマはぴねすぽっと」をプラットフォームとし発信していくもの。
具体的には、区が共同開発している入力・データーベースを共有し「こども青少年イベント情報掲示板」を開設したことや、各区役所やNPOが運営する携帯メール配信サービスとの連携(※次項に2つの事例報告あり)。 また、地域SNS「ハマっち!」のエンドユーザとして、子育て情報コミュニティーへの参加などである。
以下は参加後3カ月での利点と課題。
▽ よく情報が整理されたメーリングリストとして機能する。
▽ 意外なほど行政批判が少ない。双方向の顔が見える関係ゆえか、議論が白熱してヒートアップすることが少ない。
▽ 登録、ログインなどの操作が面倒なので、参加しても全く反応が上がらないユーザーがかなりの数で存在する。
▽ 事務的な情報伝達機能は優れているが、現在のところ、親密なコミュニティーを生み出したり、
利害や価値観の異なる主体の合意形成を担うツールとしての役割をしているとは言いがたい。
横浜市こども青少年局は、最終的には、市内の子育てや若者自立支援に関する情報を、市民がリアルタイムで、いつでも、どこでも、入手・発信できる仕組みを目指している。
ヨコハマはぴねすぽっと
全方位子育て情報配信システム「ヨコハマ ハッピーチェーン」
「ハマっち!」内コミュニティ ”こども・青少年に関心あり”![]()
■子育て支援に関するICTの活用事例報告
「よこはま子育て情報スポットとBay Kidsメール」 (西区)東氏
「ベイキッズめ~る」は、子育て支援活動市民グループ「シャーロック・ホームズ」が配信する携帯メールへの子育て情報事業で、2007年10月からスタートした。 横浜市中心部の、0歳~未就学児を対象とした情報を配信する。 横浜市こども青少年局「よこはまはぴねすぽっと」に協力。
時間に追われる子育て中のおもに母親たちは、すべての情報から検索するよりも、パーソナライズされた情報が有意義である。 「ベイキッズめ~る」では、
▽子供の月齢に合わせた情報を届ける
▽欲しい情報だけ選べる(エリア設定等)
▽空メールで簡単に登録できる(パソコンメールも可)
という特徴を備えている。
配信内容は、子育てアドバイス(月1回第3水曜)、イベント情報(月1回第1水曜)、防犯情報(随時)、保健衛生情報(随時)など。
横浜市とは協力関係であり、行政では制限される情報も掲載可能である。
(例えば、みなとみらい地区の店舗のイベントや、マップにコンビニなどの店舗名を記載できる、など。 これらも育児中の母親にとっては貴重な情報となる。)
「子育て情報スポット あ・の・ね(西区/横浜アンパンマンこどもミュージアム内)」の運営も市と協働する「シャーロック・ホームズ」は、そこでも子育て支援情報の提供を行っており、会員に向けてアンケートを配信、コンテンツの企画に役立てている。
横浜市中心部の子育て情報を携帯メールにお届け!「ベイキッズめ~る」
アンパンマンこどもミュージアム内に「子育て情報スポット」開設(ヨコハマ経済新聞)
■子育て支援に関するICTの活用事例報告
「地域子育て支援拠点とココめ~る」 びーのびーの(港北区)東氏
「ココめ~る」は、横浜市港北区における子育て情報メールマガジンである。 「港北区地域子育て支援拠点 どろっぷ」と港北区福祉保健センターの協働。 「どろっぷ」は、特定非営利活動法人「びーのびーの」が横浜市港北区からの受託で運営している。
情報は「ココめ~る編集委員会」で作成し、毎週木曜日に配信。 配信内容は、地域の子育て情報(育児サークルや、区社会福祉協議会運営の区民手作りサイト「ココマップ」からの情報など)、関係機関(保育園、地域ケアプラザなど)からの情報、区役所からのお知らせ(保健衛生など)。 パーソナライズされた情報発信を行うため、登録の際に子供の年齢区分(0~5歳、または出産予定)と区を4分割した中から住んでいる地域を選択する。
編集での苦心点としては、携帯メールのため文字数かかなり制限されるが、それゆえに漢字が多くなると印象が固くなること、また毎週の締め切り前後に情報が集中すること、など。
港北区子育て応援メールマガジン「ココめ~る」
NPO(特定非営利活動)法人 びーのびーの
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■若者自立支援に関するICTの活用事例報告
「ヤングジョブスクエアと青少年自立支援サイト For You」 ユースポート横濱 岩永氏、青少年自立支援サイト For You編集局
「ヤングジョブスクエア」は、NPO法人「ユースポート横濱」が運営している15歳~35歳までの若者を社会や仕事とつなぐサポート機関である。 「ユースポート横濱」の事業としては、いわゆるニートや引きこもりといわれる若年無業者を支援する「サポートステーション」と、そして次のステップである就職を視野に入れた若者たちをサポートするこの「ヤングジョブスクエア」がある。
主な活動は、就職活動支援、ニュースタート事業やステップアップセミナー、職業人セミナー等の開催など。 これらを通じて若者たちの自立を応援している。
その取組のひとつに、「青少年自立支援サイト For You」への参加がある。 「ヨコハマはぴねすぽっと」内のこのサイトは、若者の自立を社会全体で支援していくことを目的に平成19年5月に開設された。 支援機関・団体の紹介から、最新のイベント情報、相談室、コラムなどの情報が発信されている。
特筆すべきは、サイトの運営が当事者の若者を中心として行われていることである。 「ヤングジョブスクエア」の来所者も参加し、横浜市こども青少年局と協働している。 日々のサイトの編集・更新作業は、当事者の若者たちが中心となる「編集局」が担当。 週1回程度の編集会議を開催するとともに、地域SNS「ハマっち!」にコミュニティーを開設し意見交換を行っている。 この「Fou You」や「ハマっち!」への参加は、「ユースポート横濱」が目指す「就友づくり」に適うものであることは言うまでもない。
以上のように、横浜市では、行政と市民を結ぶICTが、単なる情報発信側と受け手という使われ方ではなく、利用者が自ら情報を取り扱い、システムの運用にかかわるところまで進化を始めている。 それは、子育てや自立支援に関して、さまざまな協力機関・団体が市内に集積しており、質の高いサポートを行う人材の層の厚さによるところが大きい。
以上4氏の発表後は、具体的な手法や工夫について参加者から質問が相次ぎ、活発な意見交換がなされていた。
ヤングジョブスクエア
青少年自立支援サイト For You
「ハマっち!」内コミュニティ "横浜の若者から日本を元気に!"
記事・文 亮子 + ハマっち!プレス編集部
March 3, 2008 - 管理人















